マーケティング用語集カテゴリ:Web制作

EFO

Entry Form Optimizationいー・えふ・おー

英語表記
EFO (Entry Form Optimization)
カテゴリ
Web制作
難易度
★★☆(実務)
関連サービス
Webサイト制作

EFOとは「Entry Form Optimization(入力フォーム最適化)」の略で、問い合わせ・資料請求・申し込みのフォームを改善し、入力途中での離脱を減らす取り組みのこと。対象になるのは、広告や検索を経てページを読み、行動する気になった人たちです。つまりEFOは、集客を増やす施策ではなく、すでに手を伸ばしている人を取りこぼさないための施策です。

Why it matters

最後の一歩で消える人が、いちばん惜しい

問い合わせが増えないとき、多くの会社はまず集客を疑います。広告費を足し、記事を増やし、SNSに手を出す。しかし順番として先に見るべきなのはフォームです。理由は単純で、フォームに到達した人は、すでに関心を持ち、比較を終えかけているからです。同じ1件を増やすためのコストが、集客とフォーム改善では大きく違います。集客は費用を積み増す必要がありますが、フォームは項目を削るだけなら費用がほとんどかかりません。それでも手が付かないのは、フォームが制作の最後に作られ、その後は誰も見ないことが多いためです。

離脱が起きる場所は意外なほど共通しています。入力欄が多い、「必須」が多い、電話番号が必須になっている、住所を手で全部入力させる、全角と半角の指定が厳しい、エラーがページ上部にまとめて出て何が悪いのか分からない、スマートフォンで数字を入れる欄に文字キーボードが出る、送信ボタンを押しても反応がないので二度押しする。どれも技術的に難しい話ではありません。にもかかわらず放置されるのは、作った側は一度も本気で入力しないからです。テストは「動くかどうか」で終わり、「入力しやすいか」までは見ません。

もう1つ、社内事情から生まれる問題があります。営業や管理部門の要望で項目が増え続けることです。業種、従業員数、予算、導入時期、きっかけ。集めたい気持ちは理解できますが、これらはまだ相談するかどうかを決めていない人に対して、先に答えを求めている状態です。結果として、聞きたかった情報を得る前に、相手そのものを失います。EFOの実務の半分は技術ではなく、社内で「今は聞かない」と決める合意づくりだと言ってよいでしょう。

Our perspective

フォームの前で人がためらうのは、面倒だからだけではない。「この後どうなるか」が見えないから。

顧客心理の視点で見ると、入力を止める要因は2つに分かれます。操作の面倒さと、その後への不安です。前者は項目数やキーボードの問題で、比較的わかりやすい。厄介なのは後者です。「送信したらすぐ営業電話が来るのではないか」「見積を頼んだ扱いになるのではないか」「断りにくくなるのではないか」。とくに電話番号が必須の欄は、この不安を直接刺激します。まだ社名を出したくない段階の人もいます。だからEFOでは、項目を削るだけでなくこの後に何が起きるかを、フォームの近くに書くことが効きます。「1営業日以内にメールでご返信します」「お電話でのご連絡はご希望の場合のみ行います」。これだけで、押す前の躊躇が一段下がります。中小企業では、送信後に誰がどう対応するかを明記できる強みがあるため、この一文が書きやすいはずです。

仕組み化の視点では、フォームを単体で改善するのではなく情報を集める順番の設計として扱います。型は4つです。①最初のフォームでは、返信に必要な最小限だけを聞く(多くの場合、名前・連絡先・相談内容の3つで足りる)②営業が必要とする情報は、返信メールや初回のやり取りで聞く ③確認画面や完了画面で、任意の追加質問を置く(答えてもらえたら儲け、答えなくても失わない)④どの段で落ちているかを常時計測し、直す場所を勘で選ばない。この形にすると、社内の「聞きたい」と現場の「離脱を減らしたい」が対立しません。聞くのをやめるのではなく、聞く場所を後ろにずらすだけです。MAや顧客追跡の仕組みを併用すれば、続くやり取りの中で情報が自然に埋まっていきます。

AI活用の視点では、3つの使い方があります。1つはフォーム自体の点検で、HTMLを渡して「入力の妨げになる箇所」を挙げさせると、キーボードの種類指定や必須の付け方など機械的な不備が短時間で洗い出せます。2つ目は文言で、項目名や注意書き、送信ボタンの文言(「送信」より「無料で相談内容を送る」など)の案を複数出させて比較する。3つ目は入口そのものの代替で、AIチャットで質問に答えながら必要な情報だけを受け取る形にすれば、フォームを埋める体験自体を変えられます。ARGASのような追跡の仕組みがあれば、送信に至らなかった人がどの欄で止まったかを把握できるため、直すべき1か所を特定してから手を動かせます。ただし、自動化を増やすほど「相手が人であること」が伝わりにくくなる点は注意が必要です。判断の重い相談ほど、最後は人が返す形を残しておくほうが信頼につながります。

Diagram

図解:どこで、なぜ消えているのか

下の図は、フォームに到達した人がどの段で減り、その理由が何であるかを示したものです。塗られている部分が次へ進んだ人、点線の部分がそこで消えた人です。直す順番は下段のとおりで、上から手を付けるほど効きやすくなります。

フォームに来た人は、すでに関心を持っている 塗り=次へ進んだ人/点線=そこで消えた人。減る理由は、たいてい共通している ① フォームに到達した 広告・検索・紹介を経て、ここまでは来ている。 最も費用をかけて連れてきた人たち。 ② 入力を始めた 離脱 欄の数と「必須」の量をひと目見て、やめる。 「電話番号は必須」で手が止まる人も多い。 ③ 最後まで入力した 離脱 全角/半角の指定、和暦、住所の手入力。 スマホで数字欄に文字キーボードが出る。 ④ 送信できた 離脱 エラーが上にまとめて出て、原因が分からない。 押しても反応がなく、諦めるか二度押しする。 直す順番(上から手を付けるほど効きやすい) 1. 欄を減らす ── 名前・連絡先・相談内容の3つで返信できるなら、それだけにする 2. 「必須」を見直す ── 電話番号を任意にする。営業が要る情報は返信のやり取りで聞く 3. エラーはその欄の横に出す ── 何を直せばいいか、目を動かさずに分かる状態にする 4. スマホを合わせる ── 数字欄は数字キーボード、郵便番号から住所を自動で入れる 5. 送信後に何が起きるかを書く ── 「1営業日以内にメールで返信します」の一文を添える 聞くのをやめず、聞く場所を後ろにずらす

Case studies

事例で見る:国内・海外

海外

Baymard Institute ── 離脱理由として繰り返し挙がるのは「長い・複雑」

海外のUXリサーチ機関Baymard Instituteは、オンラインでの購入手続き(チェックアウト)に関する調査を継続的に公開しており、途中で離脱する理由として「手続きが長すぎる・複雑すぎる」「アカウント作成を求められる」といった項目が繰り返し挙がることを報告しています。注目すべきは、これらが価格や商品への不満ではないという点です。買う気があったのに、入力の過程で降りている。EC向けの調査ですが、BtoBの問い合わせフォームにもそのまま当てはまります。本当に検討していた人ほど、余計な手間に対して敏感だからです。ここから得られる実務的な示唆は2つあります。1つは、入力の前に「会員登録」「アカウント作成」のような追加の関門を置かないこと。もう1つは、フォームの長さは実際の項目数だけでなく、見た瞬間の印象で判断されるということです。同じ項目数でも、1画面に詰め込むより整理して見せたほうが心理的な負担は下がります。なお、離脱率などの具体的な数値は調査時点や対象によって変わるため、ここでは扱いません。

How to use

現場での使い方:5ステップ

  1. 自分のスマートフォンで、最後まで入力してみる社内の複数名で、実際に送信まで行う。押しにくい・迷った・打ち直した箇所をメモする。ここで課題の大半が見つかる。
  2. 項目を「返信に必要か」で仕分ける返信に必要なものだけ残し、あとは任意か、後のやり取りに移す。多くの場合、名前・連絡先・相談内容の3つで足りる。
  3. 必須とエラーの出し方を直す電話番号は任意にする。エラーはページ上部にまとめず、該当する欄の横に出す。入力中に判定して知らせる。
  4. 送信後の流れを1文で書く「1営業日以内にメールでご返信します」「お電話はご希望の場合のみ」。押す前の不安を、その場で解く。
  5. どの欄で止まったかを計測し、1か所ずつ直す到達数・入力開始数・送信数を分けて見る。同時に何箇所も変えると、何が効いたか分からなくなる。
Related terms

関連用語

Summary

まとめ:連れてきた人を、最後の一歩で失わない

EFOは、入力フォームでの離脱を減らす取り組みです。対象はすでに関心を持って到達した人なので、集客を増やすより先に手を付ける価値があります。止まる理由は操作の面倒さと、その後への不安の2つ。だから欄を減らし、必須を見直し、エラーを該当欄の横に出し、送信後に何が起きるかを1文添える。営業が欲しい情報は捨てるのではなく、返信のやり取りへ後ろにずらす。点検や文言の候補出しはAIに任せ、どこまで聞くかの判断は人が持つ。どの段で落ちているかを計測してから1か所ずつ直せば、手を伸ばしていた人を取りこぼさずに済みます。

関連サービス:Webサイト制作 — フォームの項目設計から入力体験の改善、離脱位置の計測と検証、社内合意の進め方まで一貫して支援します。
カテゴリ:Web制作

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