ファネル分析(ふぁねる・ぶんせき)Funnel Analysis
ファネル分析(Funnel Analysis)とは、顧客が成果(購入や申し込み)に至るまでの過程をいくつかの段階に分け、各段階を通過した人数と、次の段階へ進んだ割合を見ることで、どこで顧客が離脱しているかを特定する分析手法です。「ファネル(funnel)」は「漏斗(じょうご)」のこと。多くの人が入り口から入っても、段階を進むごとに数が絞られ、最後まで残る人は一部になる——その様子が、上が広く下が狭い漏斗の形に似ていることから、こう呼ばれます。たとえば「サイト訪問→商品ページ閲覧→カート投入→購入」と段階を並べ、それぞれの通過人数を見れば、「カート投入から購入の間で大きく数が減っている」といったボトルネック(つまずきの箇所)が一目で分かります。
なぜファネル分析が重要か
「申し込みが少ない」という結果だけを見ても、原因は分かりません。そもそも訪問者が少ないのか、訪問はあるのに商品ページで離れているのか、購入手前のフォームでつまずいているのか——どこに問題があるかで、打つべき手はまったく変わります。原因の段階を取り違えれば、広告で訪問者を増やしても、フォームが原因なら成果は伸びません。ファネル分析は、成果に至る過程を段階に分けて「どこで、どれだけ顧客が減っているか」を可視化し、最も大きくもれている箇所を教えてくれます。すべてを一度に直すのは難しくても、一番もれている段階から手をつければ、限られた労力で成果全体を効率よく底上げできます。人手も予算も限られる中小企業にとって、「どこを直せば最も効くか」を見極められることの価値は大きいといえます。
AUTOSELLの視点
A. 顧客心理の視点
段階ごとの離脱には、それぞれ顧客の心の動きが隠れています。商品ページで多くが離れるなら「自分に必要か判断できない」、カート投入後に離れるなら「送料や手続きに不安がある」——というように、離脱はためらいや不安のサインです。ファネル分析でもれている箇所を見つけることは、顧客が「どこで迷い、何に引っかかっているか」を知ることでもあります。その心の動きに寄り添って段階を整えれば、顧客は無理に押されることなく、自分のペースで次の一歩へ進めるようになります。
B. 仕組み化の視点
ファネル分析は、一度測って終わりにするのではなく、段階ごとの通過率を定常的に見える化する仕組みにすると効果を発揮します。各段階の数字を決まった形で追えるようにしておけば、施策を変えたときに「どの段階の通過率が上がったか/下がったか」をすぐに確認でき、改善が効いたかどうかを段階単位で判断できます。勘で「全体的に良くなった気がする」ではなく、もれていた段階が実際に改善したかをデータで確かめながら、優先順位をつけて手を打つ流れが、仕組みとして回り続けます。
C. AI・自動化との接点
ARGASやアクセス解析ツールと組み合わせれば、各段階の通過率を自動で集計し、いつでも最新のファネルを確認できます。さらにAIを活用すれば、「どの段階の改善が成果全体に最も効くか」を膨大なデータから推定したり、離脱が増えた段階を自動で検知して知らせたりすることもできます。人は、見つかったボトルネックを「どう直すか」という打ち手の設計に集中できます。
図解:段階ごとの通過人数で離脱箇所を見つける
事例
国内事例:たとえば、申し込みが伸び悩んでいた中小企業のサイトで、訪問から申し込みまでを段階に分けて通過率を調べたところ、訪問も商品ページの閲覧も十分にあるのに、入力フォームの段階で大半が離脱していた、という形で原因が特定できる例があります。広告で訪問者を増やすより先にフォームの項目を減らし、入力をやさしくしたところ、同じ訪問数のまま申し込みが増える——というように、もれている段階を直すことで効率よく成果を伸ばせます。
海外事例:購入や登録までの過程を段階に分け、各段階の通過率を見て改善箇所を特定する進め方は、ECやアプリを運営する海外企業で広く実践されていることが知られています。「どの段階で人が離れるか」を起点に改善するという考え方は、デジタルサービスの現場で標準的な進め方として定着しています。
現場での使い方
- 成果までの段階を並べる:「訪問→閲覧→カート投入→購入」のように、顧客が成果に至るまでの過程を3〜5個の段階に分ける。
- 各段階の通過人数を測る:それぞれの段階を通過した人数と、次の段階への移行率を計測できるようにする。
- 最ももれている段階を特定する:移行率が最も大きく落ちている段階を見つける。そこが成果全体の足を引っ張っているボトルネック。
- その段階だけを改善する:見つかった段階に絞って、原因として考えられる不安や手間を一つ取り除く施策を試す。
- 通過率の変化を検証する:その段階の通過率が改善したかを確認し、次にもれている段階へと順に手を広げていく。
関連用語
まとめ
ファネル分析は、成果に至るまでの過程を段階に分け、各段階の通過人数と移行率から、顧客がどこで離脱しているかを特定する分析手法です。「成果が少ない」という結果だけでは原因は分かりませんが、段階ごとに分けて見れば、最も大きくもれている箇所が見えてきます。離脱はためらいや不安のサインでもあり、もれている段階を知ることは、顧客がどこで迷っているかを知ることでもあります。段階ごとの通過率を見える化する仕組みを回し、AIや自動化で集計や検知を支えれば、最も効く一手を見極めて優先的に改善できます。一番もれている段階から順に整えていくことで、限られた労力で成果全体を底上げし、顧客が自然に最後の一歩まで進める仕組みを育てていけます。
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