マーケティング用語集カテゴリ:SNS

TikTokマーケティング

TikTok Marketingてぃっくとっく・まーけてぃんぐ

英語表記
TikTok Marketing
カテゴリ
SNS
難易度
★★☆(実務者向け)
関連サービス
SNS運用サポート

TikTokマーケティングとは、TikTokのショート動画を使って、認知の獲得から購買までをつくる手法のこと。他のSNSと最も違うのは配信の決まり方です。TikTokの中心にあるのは「おすすめ」フィードで、誰に届くかはフォロワー数ではなく、1本ごとの反応で決まります。この一点が、無名の中小企業にとって現実的な意味を持ちます。積み上げた実績がなくても、動画1本の出来で見込み客に届く余地が残されているからです。

Why it matters

フォロワーを集めてから、が通用しない場所

多くのSNSでは、投稿はまずフォロワーに届きます。だから運用の順序は「フォロワーを増やす→投稿が届く→売上につながる」となり、最初の数か月は誰にも読まれない投稿を続けることになります。この構造が、中小企業のSNS運用が続かない最大の理由です。手応えのない期間が長すぎる。TikTokはここが違います。投稿は最初から見知らぬ人に少しだけ配信され、その反応が良ければ配信の範囲が広がる。つまりフォロワー0の状態でも、届く可能性は最初から開いている。逆に言えば、フォロワーが多くても内容が弱ければ届きません。積み上げが効きにくく、そのぶん参入の壁も低い場所です。

反応として見られているのは、いいねの数だけではありません。最後まで見られたか、繰り返し再生されたか、保存されたか、シェアされたか、コメントで会話が起きたか。とりわけ「最後まで見られたか」が重いとされており、だから冒頭の数秒の設計が成果を左右します。ここで多くの企業が失敗します。会社紹介から入る、ロゴを出す、挨拶をする。この3つはいずれも「自分に関係ない」と判断される時間を作り、指が動きます。必要なのは、最初の2秒で見ている人の関心に触れることです。

中小企業にとっての意味は、予算の差が反応の差ほど効かない点にあります。制作費をかけた映像が伸びず、スマートフォンで撮った現場の動画が広く届くことが日常的に起きます。理由は単純で、視聴者は完成度ではなく「知らなかったこと」に反応するからです。職人の手元、工場の中、専門家が普通に話す業界の常識。これらは社内では当たり前すぎて価値に見えず、外から見ると初めて見る光景になります。つまり素材は既に社内にあり、足りないのは切り出し方と、続ける型だけです。

Our perspective

当たりを狙うのではなく、当たっても外れても回る型をつくる。

顧客心理の視点で見ると、TikTokを見ている人は情報を探していません。暇な時間を埋めているだけです。この状態の人に商品説明を出すと、宣伝として分類されて即座に飛ばされます。反応が起きるのは3つの心理に触れたときです。ひとつは驚きで、「知らなかった」「そうなっていたのか」という感覚。ふたつめは共感で、自分が困っていたことを言い当てられた感覚。みっつめは有用性で、明日使える具体的な知識。中小企業が強いのは1と3です。専門分野で普段やっていることを、素人が驚く角度で見せられるからです。そして重要なのは、売り込みを我慢すること。動画の中で売る必要はありません。「この人は分かっている」と思われた状態を作れば、プロフィールから先の導線が仕事をします。順序を守れず動画に価格と特典を入れた瞬間、配信は止まります。

仕組み化の視点では、TikTokは「バズを狙う」施策ではなく「打席に立ち続ける」施策として設計します。反応の当たり外れは避けられないので、1本の企画に時間をかける運用は構造的に不利です。決めるのは4つ。①伸びた動画の共通点を記録して型にする、②型に沿って撮りだめし、投稿は定期的に出す、③冒頭2秒のパターンを3〜4種類持って使い回す、④動画で売らず、プロフィールとリンク先で受け止める。特に④が抜けると、再生数だけが増えて売上が動かない状態になります。そしてもう一つ、必ず組み込むべき設計があります。TikTokで得た関心を、自社側の連絡先に変換することです。プラットフォームの仕様は変わりますし、規制や事業環境の変化もあります。フォロワーは借りている資産で、メールアドレスや会員登録は自社の資産です。伸びているあいだにこの変換を仕込んでおくかどうかで、数年後に残るものが変わります。

AI活用の視点では、企画と分析が任せどころです。自社の専門知識から視聴者が驚く切り口を大量に出させる、伸びた動画と伸びなかった動画の冒頭を比較して共通点を言語化させる、1本の長い解説動画から複数のショート動画の構成案を作らせる、コメントを分類して次に作るべき内容を抽出させる。人が最も時間を取られる「何を撮るか決める」工程が軽くなります。ARGASのような追跡の仕組みと組み合わせれば、TikTok経由で来た人がどのページを見て問い合わせに至ったかが残るので、再生数ではなく成果で企画を選べます。ただし、動画に映って話す部分は人が担います。この場所で信頼を作っているのは情報の正しさではなく、実際にやっている人が話しているという事実です。

Diagram

図解:配信の枠は、1本ごとの反応で広がる

投稿はまず小さな枠に配信され、反応が基準を超えるたびに枠が広がります。フォロワー数はこの判定に直接効きません。だから毎回が新しい打席になります。

届く量を決めるのは、積み上げた実績ではなく1本の出来 フォロワー0の投稿と、フォロワー1万の投稿が、同じ第1波から始まる 第1波 小さな枠 第2波 枠が広がる 第3波 さらに広がる 第4波 大きく広がる 最後まで 見たか 保存・ シェア コメント・ 再視聴 投稿直後 反応が良い さらに良い 広く拡散 基準に届かなければ、その波で止まる。だから1本に賭けず、型に沿って打席に立ち続ける。 伸びているあいだに、関心を自社の連絡先へ変換しておく(フォロワーは借りている資産) 冒頭2秒が、届く範囲を決めている

Case studies

事例で見る:国内・海外

海外

#TikTokMadeMeBuyIt ── 買う気のなかった人が買う経路が可視化された

海外では「#TikTokMadeMeBuyIt(TikTokのせいで買ってしまった)」というハッシュタグが定着し、多くのユーザーが自発的に購入報告を投稿する現象が広く知られるようになりました。注目すべきは、このタグ名そのものが購買の性質を言い当てている点です。探して買ったのではなく、見てしまったから買った。検索から始まる購買とは起点が違います。企業側の示唆は明確で、動画の役割は比較検討の材料を提供することではなく、そもそも探していなかった人に必要性を気づかせることになります。日本の中小企業に置き換えても構造は同じです。自社の商品を知らない人、そのカテゴリの存在すら意識していない人が対象になる。だから説明の巧さより、「そんなものがあるのか」と思わせる一点が効きます。なお、この現象に関する売上規模や効果の数値は情報源によって差が大きいため、ここでは扱いません。

How to use

現場での使い方:5ステップ

  1. 社内の「当たり前」を棚卸しする外の人が知らないこと、驚くこと、勘違いしていることを社内から集める。現場・工程・専門知識・よくある誤解の4つで探すと、たいてい30本ぶんは出てくる。
  2. 冒頭2秒のパターンを3〜4種類決める会社紹介・ロゴ・挨拶から入らない。「これ、知らない人が多いのですが」「◯◯は実は違います」など、関心に直接触れる入り方を用意して使い回す。
  3. 撮影日をまとめ、投稿は定期的に出す1本ずつ企画して撮ると必ず止まる。月1日の撮影で10本以上を撮りだめ、投稿だけを定期的に続ける。当たり外れは前提として、打席の数で回収する。
  4. 動画で売らず、受け止め先を整えるプロフィール文とリンク先が導線の本体。再生数が伸びても受け止め先が弱ければ売上は動かない。何を見せ、何を渡し、どこで連絡先を受け取るかを先に決める。
  5. 連絡先への変換を必ず仕込む資料請求、無料相談、メール登録など、自社側に残る形へ変換する。プラットフォームの仕様や環境は変わる。フォロワーは借りている資産で、連絡先は自社の資産になる。
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関連用語

まとめ

まとめ:バズを狙わず、打席に立ち続ける型を持つ

TikTokマーケティングの本題は、動画をうまく作ることではありません。フォロワー数ではなく1本ごとの反応で配信が決まる場所で、当たっても外れても続く運用をどう組むかです。社内の当たり前を棚卸しし、冒頭2秒のパターンを決め、撮影をまとめて負荷を下げ、動画では売らず受け止め先を整える。そして伸びているあいだに、関心を自社の連絡先へ変換しておく。企画出しや反応の分析はAIに任せられますが、画面の中で話す役割だけは人が担います。実際にやっている人が話しているという事実が、この場所での信頼をつくっているからです。探していなかった人が「そんなものがあるのか」と気づき、自分で調べて自分で決める。その入口を安定して開けておくことが、売れる仕組みとしてのTikTok運用です。

関連サービス:SNS運用サポート — 企画の棚卸しから投稿の型づくり、受け止め先の設計、連絡先への変換までを支援します。
カテゴリ:SNS

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